韓国側の声明など


【2019・8・15】  74周年特別声明

韓日関係の危機を乗り越え東アジアの平和へ!


韓国の「東アジア平和会議」(署名者67名)による声明の日本語訳です。署名者のお名前は、声明の下段をご覧ください。

                         

    韓日関係の危機を乗り越え東アジアの平和へ!

 世界は重篤な病に陥っている。核戦争を防ぐ要となり、大陸間中距離核ミサイルに歯止めをかけてきた、弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約)と中距離核戦力全廃条約(INF条約)がその力を失ってしまった。人類だけでなく地球そのものの終末を招くまいと世界の人びとの願いが込められていたパリ協定も、米国の脱退により力を失った。自由で公正な貿易秩序を守る主役であるべき強大国が、自らの勝手な理屈を実現するために、この秩序をぶち壊しにしている。世界のあちこちで強大国のナショナリズムの台頭により民主主義が危機に瀕している。

 

   三・一運動と大韓民国臨時政府樹立から一〇〇周年を迎えた今年、韓国と日本は1965年の韓日国交正常化以来、事実上最悪の関係となっている。安倍政権が韓国への貿易報復を主導し、平和憲法廃棄、そして再武装を公言していることで、東アジアの平和は今深刻に脅かされている。

 東アジア平和会議は光復解放70周年を迎えた2015年に、朝鮮半島の平和と日本の平和憲法9条擁護のために、韓国と日本をはじめとして米国、中国、ロシア、ヨーロッパの人びとが参加する中、ソウルで「東アジア平和国際会議」を開催した。また、日本の憲法9条を守ることが東アジアの平和に死活的な意味を持つと考えて、日本で展開されていた憲法9条にノーベル平和賞を送る運動に積極的に参加した。

 

 韓日の平和、そして東アジアの平和のため、日本政府は平和憲法を改正してはならない。日本が戦後、アジアと世界から信頼を得て、平和を進めることに寄与することができた要因の一つは、平和憲法と非核三原則であった。われわれは日本国民と政府に、これを守ることを強く促したい。

 一〇〇年前、安重根先生の東洋平和論と、三一運動の独立宣言書が明らかにしているように、朝鮮半島の平和なくして東アジアの平和もないし、東アジアの平和なくしては朝鮮半島の平和もない。だからこそ、朝鮮半島と東アジアの平和のための韓日の経済協力が弱められてはならない。韓日両国民はこの間、自由、普遍的な人権、善隣関係に向けた努力によって、世界においても評価すべき友好関係を積み重ねてきた。これを両国政府が後退させることがあってはならないのである。

 

韓国は分断国家である。加えて北朝鮮の核の危機もいまだに解消されていない。その上日本との経済-平和関係までも閉ざされてしまうとすれば、身動きの取れない状況になるかもしれない。よって、南北の平和が重要なように、韓日の平和もおとらず重要である。韓日関係と南北関係、韓日の平和と南北の平和は、決して二者択一ではない。韓日の平和をもとに南北の平和を発展させ、南北の平和の成果をもって東アジアの平和を発展させる好循環が求められる。

 

来年2020年は朝鮮戦争勃発から70年の年であるとともに、東京オリンピックの年である。われわれは朝鮮半島の平和と韓日の平和がともに促され、東京オリンピックが世界の人びとの平和の祝祭となることを望んでやまない。日本が不必要な条件を付けることがないならば、隣国の国民として最善を尽くしてこれを助けるだろう。韓日はすでに2002年にサッカーのワールドカップを共催した経験がある。

 

韓日両国は1998年の金大中大統領と小渕恵三首相による共同宣言の精神に立ち戻らなければならない。日本政府は韓国人に加えた苦痛と悲劇に対する深い理解と謝罪の姿勢を、韓国政府は日本人の戦後における経済発展と東アジアの平和への寄与を認め和解の気持ちを持つことが重要である。特に日本政府は河野洋平官房長官、村山富市首相、菅直人首相の談話における歴史認識を受け継ぐよう促したい。互いに認め合い尊重する中で、未来における共同の繁栄と協力を成し遂げるため、過去を直視しつつ未来を見つめてきた、これまでの政府の姿勢に立ち返るよう提案したい。

 

第一に、韓日両政府は今後、葛藤や対立を拡大する姿勢を極力自制するよう望みたい。善隣と平和に向けた韓日市民連帯は政府間の対話に劣らず重要である。

第二に日本政府はいろいろなチャンネルで即刻、直接対話を再開するよう促したい。

第三に韓日政府間のこれまでの協定や約束が解釈の違いやあいまいさを含んでいるとすれば、両政府は一致とすり合わせに向け、成熟した真摯な直接対話と持続的な交渉で解決するよう望みたい。

 

日本国民は令和の時代を平和の時代へと築き上げていくことを熱望しているものと、われわれは信じている。安倍政権が新時代を隣国との敵対で幕開けするのであれば、日本国民の期待を打ち捨てることになり、世界を大いに失望させるだろう。われわれは去る7月28日に発表された日本の知識人75人の声明「韓国は『敵』なのか」に共感し、日本政府もその問いに正面から答えるよう期待するものである。われわれは新しい時代を敵対と対決で迎えることがあっては、決してならないだろう。

                   2019年8月12日

                      東アジア平和会議

                         署名者 67名

 

 

 

☆元公職者

李洪九(元首相)、高建(元首相)、鄭雲燦(元首相)、金元基(元国会議長)、林采正(元国会議長)、李鍾燦(元国家情報院長、友堂李会栄先生奨学財団理事長)、韓勝憲(元監査院長)、李御寧(元文化部長官)、金鎮炫(元科学技術部長官)、金成勲(元農林部長官)、金泳鎬(元産業資源部長官)金道鉉(元文化体育部次官)、朴炳元(元財政経済部次官)

 

☆元国会議員

権永吉(元民主労働党代表)、李佑宰(梅軒尹奉吉月進会代表)、尹汝雋、朴錫武(茶山研究所理事長)、李富永(夢陽呂運亨先生記念事業会理事長)

 

☆文化芸術

申林(詩人)、金禹昌(文学評論家)、白楽晴(文学評論家、創作と批評元編集人)、金炳翼(文学評論家、文学と知性元編集人)、廉武雄(文学評論家)、黄皙暎(作家)

 

☆宗教人

金喜中(大主教、韓国カトリック主教会議議長)、姜宇一(主教、カトリック済州教区長)、朴昌一(神父、イエス聖心伝教修道会)、キム・ヨンジュ(韓国宗教人平和会議前会長)、イ・ホンジョン(韓国キリスト教教会協議会総務)アン・ジェウン(牧師)、パク・チョンファ(牧師)、トボプ(仏教曹渓宗実相寺会主)、チョン・インソン(圓仏教平壌教区長)、パク・ナムジュ(天道教元教令)

 

☆学界

姜万吉(高麗大学名誉教授)、チャン・フェイク(ソウル大学名誉教授)、カン・ジョンチェ(全南大学元総長)、崔相竜(高麗大学名誉教授)、具大烈(梨花女子大学名誉教授)、キム・ミンファン高麗大学名誉教授、李万烈(淑明女子大学名誉教授、国史編纂委員会元委員長)、李泰鎮(ソウル大学名誉教授)、申仁玲(梨花女子大学元総長)、兪弘濬(明知大学名誉教授)、ユン・ヨンオ(国民大学名誉教授)、ユン・ギョンノ(漢城大学元総長)、ソ・ジニョン(高麗大学名誉教授)、イ・ジョンオ(明知大学名誉教授)、パク・チェチャン(淑明女子大学名誉教授)、イム・ヒョンジン(ソウル大学名誉教授)、キム・ジョニョン(漢南大学名誉教授)、キム・ジョンチョル(緑色評論発行人)、朴明林(延世大学金大中図書館館長)

 

☆言論人

任在慶(ハンギョレ新聞元副社長)、キム・ジョンチョル(東亜日報闘争委員会委員長)、慎洪範(朝鮮日報闘争委員会元委員長)、ユ・スンサム(ソウル新聞元社長)

 

☆市民社会

 

チ・ヨンテク(インチョン・セオル文化団体理事長)、イ・ヒョンスク(女性平和外交フォーラム名誉会長)、カン・デイン(文化科学カデミー院長)、キム・ヨンスン(韓国女性団体連合共同代表)、李三悦(対話文化アカデミー理事長)、リュ・ジョンニョル(興士団)、チョン・ガンジャ(参与連帯共同代表)、鄭聖憲(DMZ平和生命の丘に理事長)、イ・スンファン(市民平和フォーラム共同代表)、シン・ピルギュン(社会投資支援財団理事長)、ユン・ジョンスク(緑色連合共同代表)